たすきがけ事業所の活動の原点ともいえる、

農作業のお手伝い&販売のお手伝い。

和歌山県印南町の、有機農家さんのブルーベリーを

収穫して発送する作業に向かいました。

少しでも雨が降ると収穫作業はできません。

土日から、長雨の予報となったので、

せっかく味ののっているブルーベリーをできるだけ出荷したく、

宅配でお届けする注文をとり、作業に向かいました。

普段はパートの方々に収穫と出荷とを委託されてますが、

ちょうど人手もなく、ご高齢の農家さんも熱中症ぎみとのこと。

夏の盛りは、どこでも同じですが、農作業ができるのは、

午前4時~8時、夕方4時~日没までとなります。

金曜日にフル活動して、数十キロを収穫&出荷しようと、

木曜日の最終列車で向かい、深夜に離れにあげていたたいて眠りました。

金曜日は、午前4時ではまだ日がささずに、5時から作業開始。

こういうふうに実る中から、真っ黒なものを選んで

 

 

 

 

 

 

 

 

一粒ずつ 一粒ずつ 一粒ずつ

収穫するのです。

………終わりが見えないですよね笑

ブルーベリーは、ラビットアイ系統とブッシュ系統と、

品種が多様で、多品種で植えると、よく実るので、

この畑にも大きく分けて二種類があります。

ラビットアイが粒が大きいので、出荷は主にこちらを。

1時間で小さな「ボッツリ」(収穫用のかご)に満タンには届きません。

小ボッツリで約5キロ。あとから選果するので減りますから、

満タンにしなければ、5キロに不足します。

ご予約いただく際に、収穫不足するかもとご理解いただいているので、

収穫間に合わなければ、たすきがけ事業所宛てで発送する8キロをあきらめ、

まだまだ足りなければ、ご予約先着順でお届けすることにします。

朝3時間、夕方3時間で、1時間5キロで最大30キロ。。。

ご予約ギリギリの分量です。。。

 

少しずつでも長らく農家さんのお手伝いにきていて身に付いたのは、

計算はするけど、労働の最中には慌てないということです。

焦っても慌ててもイライラしても、抜群に作業の効率化できるわけでもない。

慌てずに急ぎます。急ぐけれど、息はあがらないようにします。

 

とはいえ、雨が降るまでにできるだけ、、、。

大きなコンテナを木の下に置いて、

下の方の果実を取りこぼさないように、

高い枝からとるときは、麦わら帽子を枝の下にさしこんで、

パラボラアンテナのように、小さな粒を受けとめます。

黒い果実を狙い、指でつまむとき、完熟しているほど、

容易く外れるので、手につかずにこぼれることしばしば、

出来る限りの工夫です。

午前7時に、農家の八十代のお母様が来てくださり、

実がたくさんついている列を教えて下さいました。

わぁーいっぱいです♪いける。これは、どんどんいける♪

 

お母様は1時間だけ作業しますと、木の下にコンテナ置いて腰掛けながら

一つの木を挟んで両側から収穫作業をすることに。

 

 

 

 

 

 

 

「近頃は、眼もわりなって、指も動かんさかいね、

なかなかとれんのですわ。」

「膝も悪いさかい、(家のすぐ裏の)畑にも、あんまり行かれんから、

苗がどないなってるやら、草にも埋もれてしもて。」

 

昨年はうかがうことができず、2年ぶりにお目にかかると、

ぐっと不自由なことが増えてらっしゃる。

日々の暮らしも儘ならなくなる中で、畑の心配は、いかばかり。

日本全国の課題ですよね。

 

「みやさん、実をとるときね、ちとでも赤い色が残るやつより、

真っ黒いのが、やっぱり味が全然違うんですよ。」

 

枝の下の日陰やら、日光サンサンの枝の上やら、

選んでいるつもりが、まだまだ眼力が足りてません。

美味しい美味しいブルーベリーへの期待が高まっているので、

ここは絶対に外せない。ハイクオリティこそ優先順位1位です。

 

かなり集中を持続させながら作業していくうちに、

だんだん、真っ黒いのが目につきだします。

基準ができてくる。とはいえ!

収穫したブルーベリーは、1時間以上、緩やかに風にあてて乾かし、

日陰で冷ましてからでないと箱詰めできません。

ですので、ここは多少は甘めに収穫しておいて、

乾かす時間で丁寧に選果するのもよいかもしれない。

ただし、集中力や気力体力にも限界はあり、

一番元気な今、できないことが、あとからできるか疑念もある。。。

 

「あー、やっぱり。」

お母様が木の向こうで呟きはりました。

「黒い実をとってやったら、枝がスッキリ軽そうやわ。」

 

 

 

わあ。

わあ。

我ながら、一瞬、何に感動したか、

すぐには分からなかったんですが。

 

一粒を、大切に思う私。

大切に思う。

農家さんや待ってくれるお友だちを大切に思う。

せっかく自然がくれた恵みやから大切にしたい。

粒々が商品、食品として見えています。

 

農家のお母様には、

生きているブルーベリーの木の

命の営みが見えているのです。

 

ああ。

こういう感覚こそ現場を共にできて、いただけること。

木の全体を眺めながら収穫すると、

いつしか、無心になっての作業となりました。

目標には到達しませんでしたが、

ご予約いただいた皆様にはお届けすることができました。

 

活動の原点、我ながら幸せな労働をしているなあ。

充実感でいっぱいです♪

 

 

 

このページの先頭へ