今日も友人の運転で畑に。

主な作業はすんでいるので、草抜きくらい。

暑いし、夕方着で作業して天然温泉の銭湯に寄って帰ろう。

ゆっくりスタートか、早めに出ようか、相談中に

畑前に信太山あたりの湿地に行こうと提案してくれた。

お弁当のピックアップから湿地探検ルートと、

産直市場や畑から銭湯の通常ルートまで、

スケジューリングをざっとする。

 

事前に少し調べると、絶滅危惧種の動植物がいる場所で、

自然観察会の案内や記録のブログが散見できた。

テイクアウトのお弁当を食べると、

ピクニック気分盛り上がるだろうな~。

虫除けのミント水をたくさん準備する。

 

ネットの記事を頼りに、現地周辺にたどり着くが、

駐車できるスペースがないし、

そもそもめざす湿地がどの辺りか、

地図には出てこない。

点在する多数の溜め池や自然池があるが、

歩いてすべてを見れるはずもなく、

一帯に近づくための細い道なども、

どこから入るか皆目見当がつかない。

 

何度も地図を見て、細い道を周回し、

ネット検索で新たな情報を、探す。

地図に「ふるさと館」という建物を見つけて、

ここに行けば何か情報がもらえるだろうと向かう。

が、想像よりずいぶん小さな建物で、

またまた駐車場が見当たらない。

来た道に大きな赤い鳥居が見えていたので、

神社の境内に駐車場があるのではと、引き返す。

赤い鳥居をくぐって、湾曲する細い道を進むと、

大きな石の鳥居が見えてきた。

その手前まで、車が縦列駐車している。

停めさせてもらおう。。。

鳥居のすぐ側の笹薮の横に車をつけて、

聖神社に足を踏み入れた。

全く予備知識なく近づいたのだが、

1300年前に建立され、重要文化財の社殿があり、

かつては広大な敷地があり、何より、

信太ぎつねの伝承の地であった。

 

 

 

 

 

 

素晴らしい境内の一番奥の細い道を下ると、

白い狐の小さな祠があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとも清々しい。

神社を抜けて、小高い丘を下り、

ふるさと館に到着すると、狭い敷地内に

数台分の駐車場があった。

信太ぎつねの伝承について伝える展示があり、

はじめてしっかり、いろいろな伝承の系譜を知った。

 

職員の方に、湿地についてたずねると、

絶滅危惧種のいる場所で、むやみに入れず、

年に数回の保存会の見学会でだけ観察できるとのこと。

なるほど、看板もないはずだ。

降りてきた道には戻らず、丘をぐるりと一周して神社を目指すことにする。

信太ぎつねがネズミに化けて逃げ、

安倍晴明の父である保名に出会った鏡池に沿って、

短距離の遊歩道があり、睡蓮を眺めつつ進むと、

古墳が崩れて最下部にある石棺が剥き出しで展示されていた。

畑に行く途中に、何度も立ち寄ってきた弥生博物館の知識が

今、目の前に。剥き出しで。こんな剥き出しでいいの?

古墳が100もある地域でもあり、神社すら千年を越している。

壮大な時間の流れを肌で感じることができた。

湿地には入ることも叶わなかったが、

狐につままれたのか、導かれたのか、

あまりにも良くできた散策ルートをたどることになった。

畑に到着して、産直市場で急遽購入した苗を数種植え、

あとはひたすら、作物の周辺の草を手刈りした。

畑の縁から中心部をめざして、いっせいに延びる葛の葉。

 

信太ぎつねが保名の妻「葛の葉」に化けて恩返しに向かい、

身ごもって産んだのが安倍晴明。

畑にいても、白い狐を思い出す、

ほんに不思議な小旅行の1日でした。

 

 

 

 

 

 

 

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