町に暮らす百姓をめざしているここ数年。
季節の手仕事が、活動の中心。
年中の手仕事で一番大きな仕事は、
冬の米糀おこしと、初夏の梅仕事だ。

米糀は、自分で仕込みの計画をたてられるが、
梅は、熟しぐあいにまかせるので、作業の時期を選べない。
仕込む量が多いので 冷凍庫保存もかなわず、
梅を確保するまでのやきもきと、到着後すぐに、
一日二日で一気に作業をすすめるせわしさと。
くわえて、取り寄せた梅の販売もするため、
無事に梅を届けるための段取りにも気を遣う。
精神的に一番スリリングなのが梅雨の時期なのだ。

例年は、耕作放棄地の梅をとりにいかせていただいて、
農家さんに仕入れ値をお支払いして、長屋で販売していた。
今年はどこの梅も、全滅状態で、まったく梅がない。
手入れが行き届かずに弱っていくこともあるが、
台風の大型化の影響もあるだろうということだ。

無農薬栽培の梅の数は少なく、
梅仕事はどこででも年中の大切な手仕事であり、
分けていただける量があるかどうかということと、
安価なものを求めるために、探すのもなかなかたいへん。
今年は、和歌山の道草屋さんにお願いして
お友だちをご紹介いただいて梅を取り寄せた。

青梅40kg

熟し梅40kg

 

 

 

 

 

梅の香りに包まれて 本当に幸せな気持ちになる。

取り寄せた量が少ないので、毎年必ず、
梅を分かち合っているお友だちにだけしか告知できず。
そして、これまた、こっそりと、身近な友人たちと、
梅干しを作るワークショップ(というか共同作業に近い)を重ねた。

自分としては、今までで最も多い量の10kgオーバーの仕込み。
良いものを選んでもらって、残った梅を使うので、あれこれ工夫が必要。
傷んだ状態によって、傷が多いものには火を入れたり、
酢や醤油や焼酎などを使った、殺菌効果のあるレシピで仕込むことになる。
一番気合の入っていた、梅シロップで、まさかの失敗をしてしまった。
材料に対して申し訳なくて、ずっしりと落ち込む。

これから、重しを調整したり、混ぜたり、容器を移し替えたりと、
日ごろの養生が続くととともに、
梅干しには、赤しそ投入と干す作業と、次の段階が控えているが、
ひとまず、第一段階を終えて、ほっとした。
充実感と素晴らしい香りに酔いしれているのでした~。
手仕事って、ほんとによいものだなと思います。

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