平成竹取物語
はじまり 2012年 3月

竹林保全がつらいというお話。農地に赴くと必ずうかがうといっても過言ではありません。竹は毎年どんどん伸びますから、終わりが見えないし、ただ切るだけで、楽しみがないのですね。では、そもそも、昔はどうしていたかというと、竹は中国から持ち込まれたものですし、わざわざ植えて「利用していた」んです。そこで、単純に考えようと思いました。「どんどん使えば良いのでは」。

竹の利用法を探してみると、竹炭、竹酢液(ちくさくえき:防虫効果など)、竹チップ、竹繊維や竹粉など、大いに研究が進んでいるのです。今後の活用法に期待大。とはいえ、工業的な加工のプロセスは、民間の素人、さらに一人ではなかなかできません。

たすきがけ事業所の発想は、リスクとコストを減らして、一人からでも始められる活動を創出することを大事にしています。「簡単な利用法で、大いに利用できる方法を考えよう」と思いました。都市部に暮らしているからこそ、マクロな課題を一気に解決できる「ニーズ」や「マーケット」を発見できる可能性があると思うのです。ニーズやマーケットの発見は、「なりわい」にできる程度の収益をあげていくためにも、必須。収益性を確保できれば、多様な活動者を誘因することもできるでしょう。

もうひとつ。竹林は、入会地(いりあいち)になっていて、土地の所有者が多数いらっしゃることが多く、外部の人間が利用することが難しかったりします。それでも田畑に入らせていただくよりは、障壁は低い。特に、孟宗竹(もうそうちく)のような筍を採るタイプでなければ、雑木扱いになりますので、素人が踏み込んでも、ご迷惑がかかりにくい。農村部に入らせていただくときに、現地での収益性が低い資源から関わらせていただくことは、信頼関係を築いていくきっかけとして、大切だと思います。もちろん、収益があげられたら分配したいですね。国内フェアトレードの発想。

ということで、長年、見聞きしてきた課題、「竹林保全」を、たすきがけ事業所の大事な活動の一つとしてがっつり取り組むことにいたしました。

まずは、長年のおつきあい、半ば親戚のようになっている農家さんの竹林で、筍(たけのこ)掘りさせていただきつつ、竹林間伐の基本的なことを教わりました。ご一緒したのは、こちらも長年のおつきあいのレストランのオーナーシェフご家族。たすきがけ事業でつながっているみなさんと、つかの間のお楽しみをかねての準備です。

大阪府岸和田市塔原(とのはら)藤原秀和さん
大阪府大阪市玉造 レストランリール ご家族 http://www.rire.co.jp/

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